社会保険料削減という甘い罠。あえて国民健康保険を続ける理由
はじめに:社会保険料の負担感
会社を退職し、国民健康保険(国保)に切り替えてから、通知が届くたびに「やっぱり高いな」と感じます。収入が増えれば保険料も上がり、その負担の重さを実感します。
だからこそ、社会保険料を安くする方法という情報を見ると、心は揺れます。
- 特定の職種向けの国民健康保険組合に加入すれば、保険料を抑えられる
- マイクロ法人を設立すると、負担を減らせる場合がある
- 社団法人の一員になることで、大幅に保険料を削減できる
どれも制度として実在する選択肢で、実際に詳しく調べたこともあります。負担が重いのは事実なので、少しでも軽くしたいと思うのは自然なことです。
それでも、私は個人事業主として国保を続けています。最終的な判断基準は、自分の中で納得感があるかどうかでした。
この記事は、社会保険料を削減するための方法を紹介するものではありません。負担の重さに悩みながらも、私が国保を続ける理由と、その背景にある考えを整理したいと思います。
特定職種向け健康保険組合への加入
社会保険料の負担を抑える方法として、特定の業界向けの健康保険組合に加入する選択肢があります。その分野で仕事をしている人のための制度で、対象者にとっては正当に利用できる仕組みです。
しかし、私のようにフリーランスのITエンジニアとして働く場合、該当する組合は見当たりません。Webデザインに携わることもありますが、職種をデザイナーとして定義し、芸術系の健康保険組合へ加入しようとするのには、抵抗があります。
職種の定義にはたしかに曖昧な部分もあります。それでも、実態として対象外だと感じている以上、私には現実的な選択肢ではありません。
保険料削減を目的とした法人化
マイクロ法人という選択肢も、これまでに何度も検討してきました。法人化そのものを否定するつもりは一切ありません。
しかし、社会保険料を下げることを目的として法人を設立すると、各種手続きに手間と時間をとられ、本業に支障を与えかねず本末転倒だと感じました。
本来は事業の運営や成長を目的として行うべき法人化を、保険料削減のための手段にすることには、どうしても違和感が残ります。私は個人の仕事に集中することを選びました。
実態を伴わない社会保険加入
さらに、一般社団法人の役員に就任し、社会保険に加入するスキームも見かけます。制度上は成立しているとしても、実態を伴わない加入になる場合があり、社会保険制度の趣旨から大きく逸脱することがあります。
こうした場合、後から制度の確認や見直しが入り、保険料を遡って徴収される可能性を否定できません。現状は問題なくても、将来的に想定外の負担が発生するリスクを抱えることになります。
応能負担の原則に従って保険料を納めることが、社会保険の基本とされています。それを無視して自分だけ保険料を安くすることは、社会的にも容認されるものではないでしょう。制度の趣旨に沿って働くことを、私は大切にしています。
国保を固定費として受け入れる
国保は高い。これは今でも変わらない実感です。
しかし、賦課限度額(上限)があります。つまり、一定の所得以上になると、保険料はそれ以上には増えず、負担の割合は相対的に下がることになります。実際に、私の直近の年間国保料は89万円で、介護納付金分を含まない上限額に達していました。
もちろん、たくさん稼げば解決という単純な話ではありません。それでも、保険料を低く抑えることよりも、収入を増やして負担感を減らすことに意識を向けることにしました。
まとめ:国保を続けるという判断
保険料を納めたうえで、なお余裕を確保できる状態を目指す。これが、私のたどり着いた結論です。こうすることで、制度に振り回されることなく働けます。
制度の隙間を突くよりも、正当に稼ぎ、正当に納める。それが、私にとっては最も納得できる働き方です。